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Q&A
Q質問
商号登記した後に商標の警告を受けました

昨年、商号登記して飲食店を始めましたが、先月、同一名の同業他社から商標に関する警告を受けました。法務局で商号の登記を受けているのに看板を変える必要があるのでしょうか?

A回答

相手の主張(権利内容)が正しい前提に立てば、変更する必要があります。

質問者様が商号登記していたとしても当該商号を独占して使用できる権利が与えられたわけではありません。同じ商号を別人が登記することも可能です。一方、商標は、商標登録により商標権という独占排他権が発生しますので、他人が類似の商標を類似の商品又はサービスに使用している場合には、その商標の使用を禁止させることができます。また、商標権の付与にあたっては、先願主義が採用され、重複する権利が他人に登録されることはありません。

従いまして、登録商標に基づく相手の警告が正しければ、商号登記を受けていても原則として看板を変える必要があります(*注1)。なお、看板を変更する際には、同じ問題がまた起こらないよう、先に商標をとっておくことをお勧めします。

 

 

注1:商標権には、「先使用権」という権利が認められており、登録商標の出願前から使用していた商標であって、それが周知なものであれば、使用を続けられます。質問者様においても、当該商号を同業他社の商標登録出願前から使用しており、それが周知であれば看板を変える必要はありません。ただし、「周知」であるか否かの判断は難しく、裁判で争うことになる可能性が高いです。これまでの判例では、「県内の一地方、および隣接する隣県の一部」に知られていればOKというものから、「二、三の市町村の範囲」では認められないというものまで色々であり、様々な事情からケースバイケースで判断されているようです。